先日に続いて、部下への教育LINEの話。
店舗運営におけるスタッフ教育の話です。
前回の振り返り=スタッフは教育よりも【訓練】する
昨日は
「スタッフをしっかりと【訓練】していって欲しい。」
「【訓練】とは組織のレベルをあげること。個人の能力に依存しない状態を作ること。」
「【訓練】に必要な【厳しさ】とは、やらない・やっていないを認めないこと。」
「【訓練】とは本人が自立してできるようになること。」
「【訓練】をするには、『いつ、どんな行動をする』のかを具体的にしなくてはいけない。」
という話を送りました。
今日はより具体的に
「スタッフを訓練するとは、いつ、何をしなければならいのか」
ということを書いていきます。
訓練のゴール=スタッフが自立して、適切な行動ができる
まず、「訓練のゴール」は
【スタッフが自立して適切な行動ができている状態を作ること】です。
書き方を変えると、
「自立している=指示がなくても」
「適切な行動=決められた優先順位で、決められた作業手順で、行動している」
ということですから、書き方を変えると、
「訓練のゴール」は
【指示をしなくても、決められた優先順位で、決められた作業手順を守って、スタッフが自ら行動している状態を作ること】です。
このためには、いくつかのステップがありますが、それはまた追々説明しますので、
今日は改めて、「スタッフを訓練するとは、いつ、何をしなければならいのか」ということを書いていきます。
訓練の仕方、具体例
「訓練とは、いつでもいかなる時でもやるべきことをやらせること」です。
「忙しくても、余裕がなくてもやるべきことをやらせる」
「やるべきときにやっていない時には、必ずその瞬間にやらせる事。その時に次からは自ら実施するよう要求すること」
「やっていない理由が「できない」の場合は「できる」に変えること」
「やる意思がない者を認めないこと」
例えば、返事の声出しの訓練。
・ピーク帯に厨房の発声がなかった。
⇒気づいた時すぐに「忙しくても必ず返事をしてださい」と伝える。
・ピークになると発声ができないスタッフがいる。
⇒できない原因を一つ一つさかのぼっていき、その原因に対して適切な訓練をする。
例えば、そもそも他の人の発声が聞こえていないなら、
ピーク帯に「いまの聞こえてた?まずは聞こうと思って、声や音に対して意識をしよう。」
「物理的に視野が狭くなっているから、作業箇所から一歩下がって、周辺視野を広くしよう。視野が広くなれば認知できるものが広がるから。」
・改善もやる意思も感じられない者がいる。
⇒即時面談を実施。やる意思はあるか確認。ないならば、業務指示として明確な改善要求をする。
これらはあくまで例ですが、具体的な手法です。
状況に合わせて、いろんなやり方がありますが、指導側の重要なことは「できるまで、工夫し続けること。できるまで、やらせ続ける」です。
絶対に妥協しないことです。それが訓練です。
より、理解を深めるために、「訓練ではない例」をあげます。
・LINEで全体通達をしたが実施徹底がされていない。 ⇒これは通達です。
・何をして欲しいかは伝えているが実施が徹底されない。 ⇒これは指導側の願望です。実際に「常にやらせる」が伴わないといけません。
・指導しているが、できていない。 ⇒できるようにするのが訓練です。できない理由を解決していきましょう。
・自主性がみられない。 ⇒自主性を求めるのは指導側の甘えです。自主性すらも訓練するのです。「自主的な人はこのような場合はどう動くのか」考えて、その行動を訓練します。
スタッフ教育のよくある誤解
ここからはスタッフ教育のよくある誤解。
・理解させることが、できているより重要、は間違い。わからなくても「まずはできるようにする」ことが重要。そのためには「やってみる」「やらせる」が大事。
「理解して、できている」>「理解していないが、できている」>「理解してなくて、できていない」>「理解しているが、できていない」
どうして自分ができるようになったかなんて、意外とみんなわかっていない。
・スタッフによって、やり方が違うのは問題。組織の生産性を高めるにはまず全員が決められたやり方を守れるようになるのが先。個性はそのあと。
・イレギュラー対応をスタッフにやらせない、は場合により正しいが全くやらせないは間違い。
緊急のものと重大なものは、交代して社員がやるは正しい。
しかし、時間があるときには、「責任者がマンツーマンでついて、本人に処理させる」が正しいです。
これにより、小さいイレギュラーが大きくなる前にスタッフが火消しできている状態を作れます。
その中で、報告までの流れも訓練してくことです。
おわりに
これは、業務上で具体的に改善し欲しい内容があったため断定的な書き方をしておりますが、実際は業態・業種によって、多種多様な教育方法があるとおもいます。
ですが、個性が強調され、重視される現代において、部下やアルバイトの教育に悩んでいる方は多いように思います。
その原因の一つに、個人を尊重しすぎて、組織がないがしろになっている背景があるように思います。
私、個人としても、従業員一人一人の個性というのは重要だと思っていますが、それは組織のオペレーションが整ってからだと思います。
従業員一人一人が組織のオペレーションを理解しその一員として【自立】できてから、初めて個性を出していくべきだと考えます。
決められたやり方を、教えられた通りにできるまで、やらせる。
【できるようになるまで、やらせる。】
この厳しさが仕事には必要です。
これを大前提として、「動機づけ」や「フィードバック」を組み込んで訓練実施していくことで、組織が動き出します。
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