私は飲食業で、複数店舗の統括をしている。
自分が店長時代に身につけたことや必要だと感じていることを基礎として、各店の店長を指導している。壁にぶつかりながら身体で覚えてきたようなものも多い。
いざ教えるとなると、教える順番や成長プロセスが重要となるし、できるだろう・わかるだろうが全く通じなくてとても困ってしまう。
最近は改めて文章化して伝えることを意識してやっている。
折角なので、ブログにも残しておこうと思う。
あくまで、部下に対してわかりやすく伝えることを重要視したものなので、
正確性に欠ける部分があるかもしれないが、そこはご容赦頂きたい。
スタッフは【訓練】するもの
店舗運営においてスタッフを正しく【訓練】することが重要です。
皆さんも日々の中で、「指導」や「教育」ということをやっていると思いますが、
なかなか店舗レベルが上がってこないという課題を感じていませんか?
その店舗レベルの不足を「店長・社員」が多く作業することで補う。ということが慢性化していませんか?
それはスタッフの【訓練】ができていないからです。
「訓練は組織の成長」「教育・指導は個人の成長」
【訓練】と聞くと、どんなことを想像しますか?
私は軍隊や部活・スポーツなどの厳しいトレーニング、厳しい教官やコーチを想像します。
「教育・指導」と聞くと、想像するのは、学校・教師・塾などではないでしょうか?
イメージの大きな違いは、
【訓練】=組織の成長
「教育・指導」=個人の成長
ではないでしょうか?
お客様から御代を頂いているプロフェッショナルである私たちは、常に「お客様に感動を提供しなければならない」です。
ですから、「個人の成長」や「個人の能力」にあわせて店舗のレベルが上下してはいけないのです。
だからこそ、重要になるのは【訓練】です。
訓練に必要なものは「本当の厳しさ」=「やっていない」を認めない
では、【訓練】において重要なことはなんでしょうか?
それは【厳しさ】です。
厳しさとは、決して「言葉の強さ」ではありません。
強い言葉で相手を責めることが厳しさではないので注意が必要です。
本当の【厳しさ】とは、
『「やっていない」を認めないこと』です。
【訓練】の中では「やっていない」「やらない」「できていない」を黙認したり、無視することは認められないのです。
これを指導者側が認めたときに、それは【訓練】ではなくなります。
【やるべきことを、全員がやっている】状態だから、【店舗のレベル】が上がるのです。
【やるべきことを、全員がやっている】状態を作るのが、【訓練】です。
スタッフと仲が良くてもいいです。優しくしても良いです。
ですが、【厳しさ】をもって【訓練】をして下さい。
自立するまで訓練する。指示してやらせているうちはまだ足りない。
また、【訓練】とは【本人が自立してできるようになること】です。
「言わなくてもやっている」状態になるまでやらせることです。
スタッフが「自立せずにやっている状態」(=言われたらやる状態)では店舗のレベルは上がりません。
これは【指示】と言います。【指示】が多い店舗は弱いです。
例えば、お客様がご来店してオーダーを受けるまでの作業が
「店頭対応」「席のご案内」「お水をだす」「注文をお伺いする」の4つの工程があったときに、
一つ一つの作業を指示によって行わせている限りは店舗のレベルはあがりません。
ご来店があったら、全てを一連のながれとして訓練するのです。
「どのように気づいて、どのように話かけ、どこの席に案内し、いつお水をだし、どのように注文を伺うのか。」
この作業と判断を、一切の指示もなくできるようになることが「自立」です。
徹底的に、自立するまで訓練をしましょう。
訓練内容を具体的にする。明確にする。
最後に【訓練】をするには「どういったタイミングで、何をするべきか」を明確にする必要があります。
例として、脚の筋肉を鍛えたいのに、腕立て伏せをしても無意味でしょう。
正しい訓練のスタートは具体的にすることです。
例えば「肩幅に足を広げて、両腕は胸の前に伸ばした状態で、お尻が床と平行になるまで下げる。その時に、膝が足の親指の付け根より前に出ないように気を付ける」という風に具体的にすることです。
具体的にした後に、考えずにできるようになるまで、身体に染み付くまで、【繰り返し、練習させる】ことです。
この【訓練】が正しくできている状態が【店舗運営のスタートライン】です。
これができていない状態で、何かを改善しようとしても一時的なものだったり、成果がでるまえに頓挫したりします。
いかに速やかに、やるべきことを徹底できるか。
そのためにすべきことは何か。
それを自分に対して【訓練】していくことが皆さんの成長、店舗の成長につながります。
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